Last Updated: 2008/2/11
< OKDのコラム(考察)&基本的考え方 >



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1  OKD Dorcus Factoryにおける血統・個体管理について
更新日時:
2008.01.15 Tue.
OKDのブリードに対する基本方針は、産地の違う個体同士は絶対に交配させない。つまり、同産地交配を基本としています。(当然ですよね)
そのため、間違っても異産地交配子孫(ハイブリット個体)など生産しないためにも、血統管理、また、各個体の飼育管理(ナンバリング、脱走防止等)を徹底しています。OKD Dorcus Factoryにおける血統管理と個体管理の仕組みを説明します。
 
OKDはそれぞれの血統に「TYPE-○」と名付けて区分けしています。(BLOOD TYPEを意味します。)
例えばインドアンテのタイガーヒル産のペアで、同腹個体(兄弟)であり、OKDが最初にナンバリングした個体が、♂♀共に「タイガーヒル:TYPE-T」となります。別ルートから入手した別血統個体であり、OKDが2番目にナンバリングした個体が「タイガーヒル:TYPE-U」となります。
もちろんBLOOD TYPEはクワの種類、産地毎にそれぞれナンバリングして管理します。つまり、個体一頭ずつロットb与え、勘違い等による異産地交雑を防止する鉄壁の管理です。また、成虫のケースの蓋は、脱走防止の観点からテープにてがっちり固定します。さらに、毎朝7時に点呼をとります。(とりません。)
なお、幼虫については羽化した順にロットb与えます。(羽化するまでは別のロットbノて管理してます。)
例:2006年に孵化した、TYPE-U血統の、タイガーヒル産のアンテ幼虫は、「Ti-U-06001」となる。そしてこの幼虫が羽化したら、頭に種別を付けて、「DAin-Ti-U-06001」となる。(成虫を見て、種別を確定する意味もあります。)
 
以上、特に外国産のクワ達は、同じ種類でも、それぞれの産地に素晴らしい特徴があり、これらは外国人の我々が壊すべきではないと考えています。これからもOKDはこの方針を守っていきます。
 
管理方法の実際は、「飼育種全成虫管理表」をご覧下さい。

2  ワイルド個体人気の矛盾について
更新日時:
2007.07.26 Thu.
近年、ワイルド個体や、累代の浅い個体に人気が集まっていますが、OKDはそれらにまったく魅力を感じません。
 
確かに野外採取品は貴重かもしれませんが、ワイルドの中でも結局人気が集中するのは大型個体です。その辺に矛盾を感じます。
クワガタ界におけるインブリード(近親交配)は、サラブレッドのブリーディングと同様に、人間にとって都合の良い個体(つまりクワガタ界であれば、極太、大型個体又は美形個体)を安定的に生産する目的があります。
誰でもそうだと思いますが、ブリードする際の種親は、極太であったり、大型個体又は美形個体等、自分の好みの個体を選んでいると思います。普通、種親に選ぶ成虫は、小さい個体よりやっぱりそういう良い個体を選んでブリードするでしょ?わざわざ羽化不全起こした個体や、ちんこい個体選んでブリードしませんよね。
つまり、一般的なブリーダーから出た個体であれば、累代(Fx)が進むほど、脆弱な遺伝子は淘汰され、なんらかの目的の個体に近づいているはずです。目的とする個体は各人で様々ですが、もし理想が合致しているのであれば、F4やF5といった累代が進んだ個体の方が、目的個体到達に、4年も5年も苦労しなくていいわけです!!そう、ワイルド個体から飼育するより、遥かに近道なのですよ!!もちろん、ワイルドから自分なりの血統を育てたいという意見もあると思います。
 
累代(インブリード)が進むことによって、他の動物であれば奇形等の不具合の可能性を耳にしますが、クワガタに関しては、奇形、羽化不全の確立が上がった等の確かなデータを、OKDは見たことがありません。ていうか、市場に、F6以上の個体が出回っているのを見たことが無いのも事実ですが。
ですから、OKDは成虫を購入するとき等の検討時、累代が進んでいても、それはマイナス評価にはしていません。それまでの親虫を見て、大型が連続している等あれば、むしろプラス評価です。あまり聞かないF5以上の累代であろうと。
 
OKD Dorcus Factoryには、現在、F4の個体(兄弟ペア)がいます。これらをF10ぐらいまで累代して素晴らしい固体をブリードし、この持論を立証すべく努力したいと思います。

3  OKDが考える累代表記について
更新日時:
2007.12.31 Mon.
累代表記については、それぞれ個人、SHOP等で考え方は様々であるが、OKD Dorcus Factoryでの累代表記は以下のとおりとしている。
 
WD(ワイルド)
 ・野外採集成虫
 ・材割り採集成虫
 ・材割り採集幼虫(蛹)羽化成虫
 ※ちなみに、同じ場所で材割した幼虫等でも別血統と見なす。
WF1
 ・野外採集メスの持ち腹(の子)
 ・WD同士の交配第1世代(別血統と考えF1とする)
F1
 ・WD種親とブリード個体の別血統交配第1世代(アウトブリード)=CBF1
 ・ブリード個体同士からの別血統交配第1世代(アウトブリード)=CBF1
 ※アウトブリードについては、親の累代に関係なくF1に戻る。
(CBF1) CB=Captive Breed(管理下繁殖)
 ・ブリード個体の別血統交配第1世代 (血の入れ替えを行ったもの)
 ※基本的に、単にF1と表現する。
F2
 ・WF1(F1)同士(同血統)からの同血統交配第2世代
 ・アウトブリード個体同士(同血統)からの同血統交配第2世代=CBF2
F3
 ・F2同士(同血統)からの同血統交配第3世代
 ・F1×F2(同血統)からの同血統交配第3世代(戻し交配)
 ・アウトブリード個体同士(同血統)からの同血統交配第3世代=CBF3
 
(以下、OKD Dorcus Factoryではありえませんが参考までに)
(HBF1) HB=Hybrid Breed(交雑繁殖)
 ・明らかに区別すべき産地同士の交配第1世代
 ※親の累代に関係なくF1に戻る。
(HBF2)
 ・HBブリード個体同士(同血統)からの同血統交配第2世代
 
アウトブリード(CB)の場合は、F1に戻すのではなく、累代(Fx)を加算すべきだ、という人もいます。ワイルド個体や、累代の浅い個体にこだわる人ほど言うよね。
OKD的には、新しい血が入った場合は、例外なくF1に戻って当然と考えます。
FとはFilial generation(子世代)の略であり、同血統交配(インブリード)の累代数を表現したもので、インブリードを繰り返して、初めてFx値は進行するのですから。
くどいようですがもう一度言いますよ。例えF10♂とF10♀のペアからできた子でも、もし♂と♀が血のつながりのない別血統であれば、F11ではなく、F1(CB)に戻すべきです。もう、そうしてくれないと一体何世代インブリードを繰り返したのか訳がわからなくなります。
 
とにかく累代表記については、早くどっかで規格を作って、ビシッと統一して欲しいですよね。




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